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2015.3.19
小学校デジタル教科書とビューアを提供開始

共通プラットフォームを利用し、操作性の統一とデジタル教科書間のリンクを実現

デジタル教科書の共通プラットフォーム開発に取り組むコンソーシアム、CoNETSに参加する教科書会社8社(大日本図書株式会社、開隆堂出版株式会社、株式会社三省堂、株式会社教育芸術社、光村図書出版株式会社、株式会社帝国書院、株式会社新興出版社啓林館、日本文教出版株式会社)は、小学校向けの指導者用デジタル教科書とそれを閲覧するためのビューアを3月20日から提供開始します。
今回提供開始するデジタル教科書は、従来から追求されてきた、映像や音声を含んだ教材の操作性を改善しているばかりではなく、科目、学年はもとより、発行会社や使用機器のOSを越えて共通するプラットフォームで動作するものです。
これにより、共通のデザインと操作性を実現するとともに、デジタル教科書間のリンクによって教科間を連携させた学習が容易になるなど、効果的な授業が可能となります。また、教員と子どもたちが電子黒板とタブレット端末にて相互に情報伝達を行うことで、子どもたちは主体的に学習し、理解を深めることができるようになります。

小学校向けデジタル教科書が2005年に国内で初めて商品化されて以来、電子黒板をはじめとする情報端末配備など、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で教育環境のIT化が進められています。また、2011年4月には、文部科学省が「教育の情報化ビジョン~21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~」の中で、教科指導における情報通信技術の活用例を紹介しています。
そのような状況の中、2013年9月、教科書で日本の教育を支えてきた教科書会社12社と、電子黒板をはじめ教育分野向けの様々なITシステムを提供している株式会社日立ソリューションズは、「デジタル教科書のスタンダードへ」をコンセプトに、業界の垣根を越えてコンソーシアム「CoNETS(コネッツ)」を立ち上げました。
CoNETSは共通プラットフォームを利用してデジタル教科書を開発しており、CoNETSが検討してきたEPUB3※コンテンツ形式の拡張は、2015年1月27日、IDPF※に登録されました。

※EPUB3(Electronic PUBlication)は、米国の電子書籍の標準化団体の1つである国際電子出版フォーラム IDPF (International Digital Publishing Forum) が普及促進している、オープンな電子書籍用ファイル・フォーマット規格。対応する電子書籍のハードウェアやアプリケーションソフトウェアは多く、電子書籍用ファイルの標準規格となっている。

このたび、CoNETSに参加する教科書会社8社の小学生向けの指導者用デジタル教科書と閲覧するためのビューアが、3月20日にインターネット上でダウンロードできるようになります。学習者用デジタル教科書も順次、提供していきます。
それぞれのデジタル教科書は共通の画面デザインと操作性を実現し、相互にリンクさせることも可能です。また、教員は、デジタル教科書に図や説明を追加するなど、簡単な操作でオリジナルの教材を作成することができます。授業中には、指導者端末と子どもたちのタブレットを連携し、子どもたちのアイデアをリアルタイムに電子黒板に反映させるなど、協働学習を支援します。

CoNETSは、教科書の改訂に合わせて、2016年には中学校用のデジタル教科書を提供し、2017年には高等学校用のデジタル教科書を提供開始する予定です。利便性の高い豊富なデジタル教科書を幅広く提供することで、ICTを活用した教育を支援していきます。

■画面イメージ

■デジタル教科書の特長

1.共通の画面デザインと操作性を実現

CoNETSのデジタル教科書は、教科を問わず、共通の仕組みで動作するため、ページめくりや書き込み、拡大などの機能を共通操作で利用することができます。また、どの教科も統一された画面デザインで表示され、指導者用、学習者用はそれぞれの端末に最適なデザインを備えています。

2.オリジナルの教材も簡単に作成

デジタル教科書や資料に新たなページを設け、手持ちのデータを貼り付けたり書き込みをしたりして、オリジナルの教材を作ることができます。また、デジタル教科書の画像やテキストを活用して教材を作成することも可能です。

3.画面を分割して比較表示

2つの画面を並べて表示することができます。デジタル教科書と資料のページを並べたり、別々のデジタル教科書を2冊並べたりすることができます。

4.学習記録やアイデアを保存

デジタル教科書上の書き込みを保存することができます。生徒は学習記録を振り返ることができ、教員は前回の授業内容をスムーズに引き継ぐことが可能となります。書き込みした画面をデータとして保存することで、思考の過程や複数の考えを共有することにも役立てられます。

5.クラス全員の端末を連携

教員と生徒の端末をネットワークでつなぎ、画面を通じたやり取りができます。ワークシートを配布・回収したり、生徒の画面を教師の画面に映したりすることができます。

■デジタル教科書の対応OS:Windows7、Windows8.1、iOS8

■提供開始時期:指導者用デジタル教科書 3月20日(学習者用デジタル教科書は順次、提供)

■デジタル教科書の入手方法:各教科書会社のホームページをご覧ください。

■セミナー情報:

デジタル教科書のお披露目およびコンテンツベンダ様向けの利用説明会を開催します。
日時:2015年4月15日
場所:東京都港区港南二丁目18番1号 JR品川イーストビル 20F

■CoNETS(Connecting to the Next Education for Teachers and Students)について

教科書会社12社(大日本図書株式会社、実教出版株式会社、開隆堂出版株式会社、株式会社三省堂、株式会社教育芸術社、光村図書出版株式会社、株式会社帝国書院、株式会社大修館書店、株式会社新興出版社啓林館、株式会社山川出版社、数研出版株式会社、日本文教出版株式会社)と、システム会社の株式会社日立ソリューションズの全13社による国内初の次世代デジタル教科書の共通プラットフォーム開発に向けたコンソーシアムです。教科や教科書会社によって異なっていたデジタル教科書の操作性を統一し、さまざまな端末で使用できるマルチプラットフォームを開発することで、教科や学年を越えた新たな学びによる「デジタル教科書のスタンダード」を目指します。
CoNETSのホームページ:http://www.conets.jp/

<本件に関するお問合せ先>
CoNETS事務局 info@conets.jp
*「CoNETS」はCoNETSの参加会社13社の登録商標です。
*本プロジェクトの日立ソリューションズが担う部分の事業は、2015年4月1日から株式会社日立製作所 情報・通信システム社に 移管されます。

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