CoNETS(コネッツ)について

インタビュー・活用事例のご紹介

01. 堀田 龍也先生 東北大学大学院情報科学研究科教授
教育工学。主に情報教育・メディア教育、ICT活用授業、校務の情報化。特に小学校における情報化に伴う教育内容・教育方法の開発、学習支援システムや教材の開発、教員研修の開発等。教育情報化関連企業との共同研究多数。

文部科学省「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議で、座長を務めていらっしゃいます堀田龍也教授に、デジタル教科書などのICT活用でよりよく変わっていく教育の未来についてお話を伺いました。

―― 授業でのICT活用は現在どのような状況でしょうか?
堀田 龍也先生:ICTを活用した授業では、実物投影機(書画カメラ)がよく使われています。実物投影機で一番多く映し出されているのが教科書で、次はノートです。教科書やノートを映し、先生方が書き込みをしたり、解説を加えたりという使い方がされています。今後は電子黒板等に映し出すデジタル教科書の利用が増えていくと思います。
先生方のICT活用に比べ、今のところまだ少ないですが、2020年代に向け、子供たちによるICT活用が増えてくると想定されます。なぜなら2020年よりスタートする新しい学習指導要領が、ICTも活用することを前提とした学習環境を構築することになっているからです。
先生方にとっても子供たちにとっても、ICTは提示したり何かの情報を得たりする、大切な道具です。現在、先生方の教える道具から、子供たちの学ぶ道具へと、次第に学校現場に広がってきています。
―― 授業におけるデジタル教科書の有効性について教えてください
堀田 龍也先生:実物投影機で一番映し出すことが多いのは教科書ですから、デジタル教科書を利用すると先生方はとても便利になります。同時に子供たちにとっては、手元にある教科書と同じものが前に映しだされ、教科書の一部が拡大されたり、場合によっては動いたりする事によって、自分の手元の教科書と、先生が説明してくれているものとのつながりがわかりやすくなります。
また、授業では答えの部分を隠して答えさせたり、書き込ませたりすることが多いと思いますが、先生が書き込みをやって見せ、子供たちに同じことをやらせることで学習の理解が深まります。
さらに子供たちがタブレットなどを利用することで、子供たちそれぞれが自分のペースで繰り返し学習することができるようになりますので、学力の習熟・定着に非常に有効です。
―― CoNETSの取り組みについてどのようにお考えですか?
堀田 龍也先生:教科書会社各社が、同じビューアーで見られるデジタル教科書を作ることで、各自治体がどの教科書を採択していてもデジタル教科書の操作性が統一され、学年や教科を超えて連携できることは極めて望ましいことです。
CoNETSの考え方は、国が向かっていく方向と一致しています。これからは1社で頑張る時代ではありません。
また、学校だけがすべての教育の責任を持つ時代でもありません。学校と民間がどうやって協力していくかという事が、今後はとても大切になっていくと思います。
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