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2014.5.30
第5回 教育ITソリューションEXPO CoNETS出展レポート

2014年5月21日~23日の3日間、東京ビッグサイトで開催された第5回教育ITソリューションEXPO(EDIX)。3日間で約5600名にもおよぶ多くの来場者で賑わったCoNETS特設ブース最終日の様子をお伝えします。

今年のトレンドは充実したコンテンツ

ここ数年のEDIXでは、電子黒板、プロジェクター、タブレット関連製品などハードウェアの出展が一つの流れをなしていました。その流れを受け、EDIXのあらたなトレンドになったと実感させたのが、これらハードウェア上で動作するデジタル教科書をはじめとした、より具体的なコンテンツの出展でした。

初出展「次世代デジタル教科書」のCoNETS ブースに寄せられた関心

今回のEDIXにおいて、会場内の各ブースで見られたのが、体験形式のコンテンツ出展。なかでも、CoNETS特設 ブースには多くの方々にご来場いただきました。昨年9月に発足して話題を呼んだ同コンソーシアムによる初の出展、しかも模擬授業という具体的なかたちとして披露したことで、多くの教育関係者の関心を集めることができました。ブース壁面にはプロジェクターによって、国語、社会、算数、理科、音楽、家庭、地図など各教科のデジタル教科書のページを展示する一方、ブース内のメインステージでは、各教科の体験型模擬授業の実演を行いました。開始のチャイムが鳴ると、ステージ周りは立ち見の来場者で埋め尽くされるほどの賑わいを見せていました。

CoNETS ならではのメリットは「共通プラットフォーム」と「教科間連携」

CoNETS が2015年にリリースを予定している、次世代デジタル教科書のスタンダード。そのβ版というべき今回の体験型模擬授業で特にアピールしたキーワードは、「共通プラットフォーム」と「教科間連携」の実現です。
「共通プラットフォーム」のメリットは、これまで教科や教科書会社によって異なっていた、デジタル教科書の操作性を統一した使い勝手の向上です。それを象徴するのがCoNETSビューアの共通ツールボタンであり、参加12社各々のインターフェースの特長の数々から、教師・生徒の使いやすさと分かりやすさにつながる要素を抽出・融合しまとめ上げています。さらに「教科間連携」のメリットとなるのが、他学年、他教科のデジタル教科書を呼び出し、参照することで強化される、振り返りや気づきによる学習効果なのです。

体験型模擬授業で、次世代デジタル教科書の使いやすさと画期性を実感

体験型模擬授業の目的は、これら二つのメリットをお伝えすることでした。CoNETSビューアのデジタル教科書であれば、ページめくり、範囲指定拡大、書き込み、画面の分割表示・保存などの操作方法はすべて共通。この日の算数(国語)の授業では、教壇の電子黒板と各生徒に配布されたタブレット型端末を使った「角柱と円柱」の学習の様子を実演しました。まず、端末上で立体を回転させ、 底面や側面に色を塗って形状や特長を確かめるなど、 操作の簡単さを体験。授業が進むと、他教科(国語)のデジタル教科書の単元(「生きものは円柱形」)をクリック操作一つで呼び出す機能、さらに全員の端末に書き込まれた回答が電子黒板上に一斉表示され、学びを共有する機能を体験していただきました。参加者の皆さんには、CoNETS デジタル教科書のメリットを存分に実感いただけたのではないでしょうか。

2015年リリースに向けブラッシュアップ

開催3日間の特別講演、「デジタル教科書:議論から実行へ」(慶應義塾大学教授 中村伊知哉氏)、「デジタル教科書:文科省標準化の動向とCoNETS への期待」(東京学芸大学准教授 加藤直樹氏)、「デジタル教科書と情報端末を活用した新たな学びの姿とは」(熊本県教育庁教育政策課 指導主事 山本朋弘氏)は、いずれも満席の盛況ぶりでした。
「デジタル教科書の発展は、教科書会社の教材コンテンツの開発努力にかかっている」(山本氏)とのまとめの言葉が、本格的デジタル教科書時代の到来を感じさせ、イベントは幕を閉じました。

CoNETS デジタル教科書共通プラットフォームは、2015年のリリースに向けブラッシュアップされます。デジタル教科書による新しい学習スタイルを切り拓くその実像に、来場者の皆さんには大きな期待を感じていただいたはずです。

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